メリット・デメリット
インプラントの
メリット・デメリット
今現在、歯を失いお困りの方の中には、今後インプラント治療を受けようか検討されている方もいらっしゃるでしょう。
インプラントには入れ歯やブリッジなど従来の治療法にはない素晴らしいメリットがありますが、その一方でデメリットも存在します。患者様ご自身が心から納得して治療を受けるためには、その治療法の良いところだけでなく、欠点についてもしっかりと把握しておくことが非常に重要になります。
ここでは、インプラントのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
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噛み心地が天然歯に最も近い
歯を補う治療法の中でも、自分の歯に最も近い噛み心地を取り戻すことができるのがインプラントです。入れ歯の場合、噛む力は半分程度にまで落ちてしまいますが、インプラントの噛む力は天然歯とほぼ変わりません。インプラントの場合、あごの骨とインプラントがしっかりと結合し、強度にも優れていることから、固いものでもよく噛むことができ、健康歯の状態と同じように食事を楽しめます。
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見た目が天然の歯に近い
見た目の美しさを、お求めの方にはインプラント治療がおすすめです。インプラントは自分の歯と遜色がない、美しく自然な仕上がりになるという大きなメリットがあります。
入れ歯のように目立つばねを装着することもありませんので、思いっきり笑えたり会話したりといった日常の様々なシーンにおいても、一切見た目を気にせずにストレスなく過ごすことができます。
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寿命が長い
近代歯科のインプラントの父ブローネマルク教授による世界初のインプラント治療を受けた患者様のインプラントは、その方がなくなるまでの一生涯、問題なく機能し続けたといいます。
インプラントの10年残存率は90%を超えています。その患者様の状態にもよりますが、適切な治療とアフターケアの継続により、インプラントを長く維持することが可能です。
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周りの歯を傷つけない
歯は削れば削るほど寿命が短くなります。ブリッジで失った歯を補う場合、歯のない部分の両隣の歯を支柱として削らなければなりません。また、部分入れ歯であれば、バネを装着することにより両隣の歯に大きく負担をかけてしまいます。
インプラントは独立した構造のため、一歯欠損から対応が可能です。さらに、健康な歯を削ることなく歯を補うことができ、負担もかかりません。
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外科手術を伴う
入れ歯やブリッジと違い、インプラント治療ではインプラント体をあごの骨に埋め込む外科手術が必要です。重度の歯周病で骨の吸収が著しいために骨造成が必要なケースなど、難症例で何度も手術を行わなければならない場合、それだけ身体への負担も大きくなります。成功率は100%ではありませんので、手術によるリスクをあらかじめ認識しておく必要があります。
また、症例によっても異なりますが、顎の骨とインプラントが結合する期間を要することから、入れ歯やブリッジと比較すると治療期間が長いというデメリットもあります。
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保険が適応されない
インプラント治療は保険が適応されない実費治療です。そのため、入れ歯やブリッジと比べて治療費が高額になりがちです。さらに治療費だけではなく、治療後のメンテナンスによる維持費もかかります。治療費同様、メンテナンスにも保険は適応されませんので、その点を加味したうえで治療の検討が必要でしょう。
※ただし、入れ歯やブリッジの場合においても、使用する歯科素材によっては保険適応外となるため、インプラントと同様、治療費が高くなることがあります。
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インプラントに適応しない場合がある
インプラント治療に厳密な年齢制限はなく、治療を受けられるかどうかは歯科医師の見解によって異なる場合があります。しかし、骨が成長しきっていない小さなお子様や、治療に耐えられない高齢の患者様の場合、インプラント治療を避けるのが一般的です。
また、糖尿病などの全身疾患をお持ちの方や喫煙者の方は、医科と連携し、治療を受ける前に生活習慣の改善や症状のコントロールを行う必要があります。
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定期的なメンテナンスが必要となる
インプラント治療後のメンテナンスを怠り、不衛生な状態になってしまうと、インプラント周りの組織が炎症を起こす恐れがあります。この状態を「インプラント周囲炎」といい、インプラント周囲炎は治療後のインプラントの脱落にもつながります。
治療を受けた後、セルフケアだけでインプラントを良好に維持することは難しいものです。インプラントの機能をより長持ちさせるには、毎日のセルフケアはもちろんですが、歯科医院での定期的なメンテナンスを継続していく必要があります。